食欲の秋を“筋肉の秋”に変える!初心者向けボディメイク入門

秋は体が動きやすく、食事も楽しみやすい季節。だからこそ「増量なのに太らない」「減量なのに筋肉を落とさない」の両立がしやすい最良のタイミングです。ここでは、完全初心者でも“迷わず続けられる”栄養・トレーニング・回復の設計図をお渡しします。
ボディメイクの大原則:3つの歯車を同時に回す
ボディメイクは「栄養(インプット)」「トレーニング(刺激)」「回復(リカバリー)」の3つの歯車を同時に回すプロジェクトです。どれか1つでも止まると、他の2つの効果は激減します。秋は気温と日照が安定し、自律神経が整いやすい=回復しやすい=筋肉がつきやすい“追い風シーズン”。この追い風を逃さないため、最短ルートで設計しましょう。
栄養設計|“おいしい秋”を味方にする食べ方
ステップ1:ざっくり必要量を決める
- タンパク質:体重×1.2〜1.6g/日(初心者)。例)体重60kg → 72〜96g。
- 脂質:総摂取カロリーの20〜30%を目安(ホルモン維持&満足感)。
- 炭水化物:残り(活動量に応じて増減)。トレ前後に多めが基本。
細かな PFC バランスよりも、「1日のタンパク質目標」と「カロリーの過不足」を守ることが最優先。秋は新米・きのこ・さつまいも・鮭・秋刀魚など“高満足×栄養豊富”な食材が多く、減量・増量いずれの戦略にも使いやすいのが利点です。
ステップ2:タイミングの黄金則
- 起床後:吸収の良いタンパク質(卵・ヨーグルト・プロテイン)+果物。
- トレ1〜2時間前:消化の良い炭水化物(おにぎり・バナナ)+少量タンパク。
- トレ直後:ホエイプロテイン+炭水化物(おにぎり/焼き芋)。
- 就寝前:ゆっくり吸収(カゼイン/ギリシャヨーグルト/味噌汁+豆腐)。
秋素材で“筋肉メニュー”例
| シーン | メニュー例 | 狙い |
|---|---|---|
| 朝食 | 鮭の塩焼き・玄米・味噌汁(豆腐/わかめ)・りんご | 高タンパク+ミネラル。起床後に筋合成のスイッチON。 |
| トレ前 | おにぎり(梅)・ゆで卵・緑茶 | 消化良好な糖質でエネルギー確保、脂質過多は回避。 |
| トレ後 | ホエイプロテイン+焼き芋(小) | 吸収の早いタンパク+糖質で回復加速。 |
| 夕食 | 鶏むねのきのこソテー・さつまいも・サラダ・味噌汁 | 食物繊維で満足感UP、過食防止。ビタミンB群で代謝支援。 |
“食欲の秋”は敵ではありません。正しい選択とタイミングで、むしろ最短で体が変わります。
トレーニング設計|“効いた感”より“効かせる技術”
初心者が最速で伸びるのは「フォームが安定するまで、全身多関節(コンパウンド)種目に集中」するやり方です。追い込み過ぎより、翌日も続けられるボリュームを回し続ける方が伸びます。
週3・全身メニュー(45〜60分)
| 種目 | 目安 | コツ |
|---|---|---|
| スクワット(自重/ダンベル) | 8〜12回 × 3セット | かかと荷重&胸は起こす。膝はつま先と同方向。 |
| ヒップヒンジ(ルーマニアンDL) | 8〜10回 × 3セット | お尻を後ろに引く。背中は丸めず、みぞおち前へ。 |
| ベンチプレス(or腕立て) | 8〜12回 × 3セット | 肩甲骨を寄せて下げる。肘は外に張りすぎない。 |
| 懸垂(orラットプル) | 6〜10回 × 3セット | 胸をバーへ。肩でなく背中を使う意識。 |
| ショルダープレス | 8〜12回 × 2セット | 腰反らせ過ぎNG。肋骨をしめて真上に押す。 |
| 体幹(デッドバグ/プランク) | 30〜45秒 × 2セット | 骨盤ニュートラル。呼吸を止めない。 |
家トレ(器具なし10〜15分)
- スクワット 12回×3
- 膝つき腕立て 10回×3
- ヒップリフト 12回×3
- デッドバグ 30秒×2
- 肩甲骨よせ(うつ伏せ)10回×2
“毎回少しだけ伸びる”負荷設定が正解。フォームが崩れる前で止める→翌回に回数か重量を1だけ増やす。
回復設計|睡眠とストレスが体を作る
- 睡眠:7時間以上が理想。就寝90分前の入浴(10〜15分)で深部体温調整。
- アルコール:週1〜2回/少量に。就寝前の飲酒は睡眠質を落とすため避ける。
- 歩行:1日6,000〜8,000歩。回復促進と食欲コントロールに有効。
- 姿勢リセット:デスク2時間ごとにヒップヒンジ&胸椎回旋30秒。
回復は“休む”だけではなく、「血流を促す軽い活動」「痛みを作らない姿勢調整」「質の良い睡眠」で完成します。ここを整えると、同じトレでも伸び率が段違いです。
目的別:秋の戦略(増やす/絞る/引き締め)
①筋量を増やす(クリーンバルク)
- 体重×1.2〜1.6gのタンパク質。
- 総カロリーは維持カロリー+200〜300kcalほど。
- 週3トレ+歩行7,000歩。脂質過多は避ける。
②体脂肪を落とす(リコン/ライトカット)
- タンパク質は体重×1.6g寄りに設定。
- 炭水化物はトレーニング日中心に配分、オフ日はやや控えめ。
- NEAT(こまめな活動)を増やす:エスカレーター→階段へ。
③引き締め優先(姿勢・ライン改善)
- ヒップヒンジ・ロウイング・プレスで“立体感を作る”。
- 胸椎/股関節/足首の可動域を確保→見た目の変化が早い。
- 塩分・水分・カリウムのバランスでむくみを抑制。
性別・年代別の押さえどころ
女性(20〜40代)
“細く”より“締まる”がゴール。下半身の大筋群+背中を優先すると、ウエストが視覚的に細く見えます。鉄分・亜鉛・ビタミンB群を意識し、生理周期に合わせて強度を微調整。
男性(20〜40代)
胸・背中・脚のコンパウンドで土台を作り、腕は仕上げ。夜の炭水化物を「トレ日>オフ日」でコントロールし、腹囲をキープ。
40代以降
回復力を最優先。強度“中”、頻度“中”、睡眠“高”の三拍子で、ケガなく伸ばす。関節負担の少ない可動域づくり(足首/股関節/胸椎)が長期進化の鍵。
失敗しないための“落とし穴リスト”
- タンパクが「朝ゼロ・夜ドカ食い」になっている。
- フォームが固まる前に高重量へ移行し、痛めて離脱。
- 睡眠不足で回復が追いつかず、やる気も落ちる。
- “毎回全力で限界まで”やってしまい、翌週が続かない。
- 体重の増減だけを尺度にして、見た目/記録を無視。
“ちょっと物足りない”くらいで終える→翌回の成長余地を残す。これが継続の正体です。
4週間の実践ロードマップ(初心者テンプレ)
| 週 | トレ内容 | 栄養 | 回復・タスク |
|---|---|---|---|
| Week1 | フォーム習得(自重中心)全身×3 | タンパク目標を達成するだけでOK | 睡眠7h、体重/見た目/食事ログ開始 |
| Week2 | 軽負荷追加、1セットだけ回数+1 | トレ日炭水化物↑、オフ日は普通 | むくみ・便通・睡眠の質をチェック |
| Week3 | 各種目を合計+2〜3レップ進捗 | 夜の間食をプロテイン+果物に置換 | ストレッチ習慣(胸椎/股関節/足首) |
| Week4 | 重量or回数を“どちらか”小幅に更新 | 外食は“揚げ物→焼き/蒸し”に変更 | 進捗レビュー:写真/採寸/自覚変化 |
外食・コンビニ“即席チューニング”
- 主菜は「焼き/蒸し/煮物」を選ぶ(揚げ物は頻度管理)。
- サイドに“汁物・海藻・きのこ”を足し、満足感と栄養密度UP。
- コンビニ:サラダチキン+おにぎり+味噌汁で基礎は完成。
- デザートは“フルーツ+ヨーグルト”のコンボが万能。
家でできる“姿勢×呼吸”のリセット(3分)
- 胸式優位→横隔膜呼吸へ:4秒吸って、6秒吐くを15呼吸。
- 胸椎回旋:四つん這いで片手を頭に添え、息を吐きながらゆっくり開く×10。
- ヒップヒンジ練習:壁にお尻をタッチ→戻る×10。腰でなく股関節を使う感覚を養う。
これをトレ前に入れるだけで、スクワット・ヒンジの安定感が段違いに上がります。ケガの予防=継続率の向上です。
FAQ|よくある質問
プロテインは太りますか?
総カロリーの範囲内なら太りません。むしろ食欲を安定させ、筋合成を助けます。おやつをプロテイン+果物に置き換えると、“食欲の秋”でも過食を防ぎやすくなります。
有酸素運動はどれくらい必要?
歩行6,000〜8,000歩が基準。体脂肪を早く落としたい時は週2回20分のジョグ/バイクを追加。ただし筋トレ前のやり過ぎはパワーを落とすので、筋トレと分けるか軽めに。
サプリは必要?
必須ではありません。まずは食事・睡眠・歩行で8割できます。必要に応じて、プロテイン・ビタミンD・クレアチンなどを検討。過信せず“土台”を優先しましょう。
編集後記|“秋の3ヶ月”で一生モノの基礎を作る
筋肉は裏切りませんが、焦りは簡単に裏切ります。フォームを整え、少しずつ負荷を上げ、食事で支え、睡眠で仕上げる。たったこれだけの繰り返しが、季節ごとの身体を着替える力になります。食欲の秋を、筋肉の秋へ。ここからの3ヶ月は、あなたの“来年の体”を決める季節です。
Blent.BLD(ブレント)|福岡市中央区高砂1-7-4-1F(薬院/渡辺通)|営業時間:10:00〜24:00







